日々の業務では支配人としてホテルの売上等の数値管理のほか、スタッフの教育や業務のフォローなど、サービススタッフとしての業務も並行して行っています。
一般的なホテル支配人と大きく違うところは、当社の目的が文化の保存と地域創生にあるということ。そのため、竹原市や一般社団法人竹原観光まちづくり機構などと協働して、イベントの企画運営なども行っています。また、竹原市の観光協会の委員でもありますので、市の動向をキャッチしながら、地域のために何ができるかを考えながら仕事をしています。

心がけているのは、お客様にまちの魅力を伝えていくことです。
ホテルとしては高単価ですので、質の高いサービスを提供するというのは基本としてありますが、竹原のまちのために何ができるかということを常に考えています。
そしてそのビジョンをスタッフと共有することも重要です。まちのために、といってもメンバーによってその解像度も違うので、教育や現場のサポートなどを通じて、常にホテルとしてどうしていきたいか、どうあるべきかを伝えるようにしています。

ホテル全体としてクオリティを上げるには、メンバーの成長が不可欠です。そのため日ごろからスタッフには様々なお願いをしていますが、メンバー自身も人を喜ばせることが好きな方や地元の方が多く、このまちのためにという想いで頑張ってくれています。
できないことができるようになるなど、成長したときはみんなが輝いて見えるので、すごくやりがいを感じますね。
また、学生のアルバイトなど、竹原のまちを出たことがないという方もいます。ここでの仕事が経験となって、就職など未来に繋がっていけばいいなと思います。

今は竹原市が観光地域づくり法人（DMO）の設立を目指して一般社団法人竹原観光まちづくり機構を立ち上げるなど、地域活性化のために動き出した段階です。
竹原には深い歴史や酒造りの文化体験など、様々な魅力があります。県外の方にはタイムスリップしたような非日常を感じてほしいですし、地元の方にとっても、今まで当たり前すぎて気づかなかった魅力を知ってもらい、竹原のまちを誇りに思ってほしいと考えています。
そのために、さらにサービスを向上させるとともに、地域の魅力発信を通じて、竹原がもっと選ばれるまちになるように貢献していきたいですね。

まちづくりに参画する中で思うのは、私たちの仕事は地域に求められているということ。
例えば、市の職員の方とお話しするときも、文化財の活用の仕方をご相談いただいたりすることがあります。当社の事業は明確な競合があるわけではなく、頼られていると感じます。
他にやっている会社がいないからこそ、前例がないことばかり。難しいと感じることも多いですが、このまちやこの国に貢献できているという実感があります。まちづくりに興味がある方や地域に貢献したい方であれば、ぜひ一緒にお仕事をしたいですね。